逆浸透膜浄水器の除去メカニズム②
水中の不純物に水分子が水素結合の力で取り付いて水和する事が逆浸透膜浄水器の分離除去メカニズムに大きく関わっている事は、一価のイオンより二価のイオンの方が除去率が若干上がる(除去しやすい)事から判ります。
一価のイオンには水分子一つが取り付き、二価のイオンには水分子二つが取り付くので構成半径は二価のイオン+水分子2個の方が大きくなり、より大きい物質は除去しやすいと言うことです。
逆浸透膜フィルターに水分子より少し大きな孔が開いていると考えると、これで除去メカニズムがの説明がつきそうですが、実際には水分子の大きさを考えるほどのミクロの目で見れば、逆浸透膜は相当の厚みがありますから、膜に孔が開いていると言うよりは、トンネルと考えた方がしっくり来そうです。
逆浸透膜の孔がトンネルだとすると、トンネルの大きさと水分子がの大きさが同じ位では途中で水分子が目詰まりしてしまいそうです。恐らく、逆浸透膜に空いている穴の大きさは水分子よりかなり大きいと考える方が妥当でしょう。
ここで逆浸透膜の分離除去メカニズムに拡散説という仮説があります。逆浸透膜のトンネルに水分子が入り込むと分子間力(分子同士が引き合う力、引力と同様、接近するほど強くなる、蜘蛛が壁を歩ける仕組みも分子間力による)が働いて水分子はトンネル内の壁に引き寄せられます。
逆浸透膜のトンネルの内壁に水分子が分子間力で引き寄せられると、トンネル断面の中心部は水分子の存在比率が小さくなります。つまり水分子が壁側に引き寄せられ、真ん中あたりは水分子が薄く、少なくなる。すると不純物は水中で水分子とくっついて(水和して)存在しているのに、くっつく相手の水分子が非常に少ない状況だと、そこに不純物が存在出来なくなるという理屈です。
不純物が逆浸透膜のトンネルの中に存在出来なくなると言うことは、トンネルへ入れない、水分子だけがトンネルに入れる、水分子と不純物が分離されるという考え方です。私もこの方が納得できる逆浸透膜浄水器の除去メカニズムです。