pfos 浄水器
アクアカルテックホームページをご覧頂いている方が、どの様な検索キーワードで辿り着いていらっしゃるのか、ある程度把握する事が出来ます。
最近の検索キーワードで多いのが「pfos 浄水器」「pfoa 浄水器」です。
pfos=ペルフルオロオクタンスルホン酸 代表的な使用方法は紙や布の撥水加工剤や泡消火剤として使用されてきた様です、同様の物質にpfoa=ペルフルオロオクタン酸があり、これはフライパンのテフロン加工(フッ素樹脂加工)に使用される物質でどちらもWHOなどから人体への危険性が指摘され現在では殆ど使用されていない物質だそうです。
「フッ素除去できる浄水器」「pfas」などのフッ素関連キーワードで検索されている方もpfosの問題から検索されている方も多いのではないかと推測します。
現在では殆ど使用されていないとされるpfos pfoaなのですが、米軍基地周辺の河川から高濃度に検出される事例があり、その原因は不明とされていますが、
米軍基地内で行われる消火訓練で使用される泡消火剤が周辺河川や地下水へ流出したと推測されています。
沖縄米軍基地周辺でpfos
神奈川県米軍基地周辺でpfos
水道水質基準には「フッ素及びその化合物」が規定されていて、基準値は0.8mg/㍑です。
フッ素、pfos関連のワードをここで整理してみます。
フッ素及びのその化合物は、フッ素単体、フッ素と他の元素が化合して出来た化合物を指しますので、「フッ素及びその化合物」にはpfos、pfoaも含まれる事になります。
フッ素化合物の中で炭素を含むものを「有機フッ素化合物」と言いまして、それが=pfasです。
pfasは永久化学物質と言われ分解される事なく人体に残留し、非常に微量でも発癌、生殖機能など様々な害をなすとされています。
有機フッ素化合物=pfasの中でpfos、pfoaが現在問題となっている有機フッ素化合物です。
pfos、pfoaが浄水器で除去できるのか?についてはEPA(米国環境保護庁)のホームページに記載がありました。
詳細をご覧になりたい方はEPAホームページの原文を翻訳して見て下さい。
内容を要約すると、pfos、pfoaについては分子構造が大きいので活性炭フィルターの浄水器で100%近い除去が出来る、但しフィルターの耐用期間により適切な交換が必要。一方で、pfbsなど分子構造が小さい有機フッ素化合物についての吸着はあまり期待出来ない、とされています。
pfos、pfoaに限定すれば逆浸透膜浄水器まで使用しなくとも、一般的な活性炭主体の浄水器で充分な除去効果が期待出来そうです。
但し、pfbsなども含めた有機フッ素化合物全体についての除去性能を求めるならイオン交換樹脂での吸着か逆浸透膜浄水器での浄水となり、逆浸透膜浄水器なら分子構造の小さな有機フッ素化合物やフッ素単体でも90%以上の除去が可能です。
弊社では逆浸透膜浄水器でフッ素単体の除去性能試験を行っています、(財)千葉県薬剤師会検査センターへ逆浸透膜浄水機を持ち込み、検査センターが用意した超純水へフッ素を溶かした原水を使用して、検査センターの監視下で行われた検査です。
フッ素単体の試験は水道水質基準項目の「フッ素及びその化合物」の試験として行いました、一番小さなフッ素単体の除去性能試験は、一番条件の厳しい試験となりますので、フッ素単体よりも分子構造の大きなフッ素化合物についてはフッ素単体より高い除去率が推定されます。フッ素は非常に反応性の高い物質ですので、フッ素単体で自然界に存在する事は稀ですから、フッ素にいくつかの原子が結合した状態の化合物の形で存在します、pfosにしても全体で22個の原子で構成されています。
現状での見解としましては、pfos、pfoaに限定するならば、一般的な浄水器でも適切にフィルター交換を行っていれば充分な除去効果が見込めます、pfas(有機フッ素化合物)全般に対しての除去を行いたいと考えれば逆浸透膜浄水器かイオン交換樹脂浄水器が必要となります。
補足です。
日本の水道管理暫定目標値はpfos、pfoaの合計で50ナノグラム/㍑と定められました。
50ナノグラムをmgで表現すると0,000,05mgとなりますので量の乖離が大き過ぎて現行の水道水質基準「フッ素及びその化合物」では規制出来ません。
pfasの規制値が小さいのはそれだけ毒性が高く見積もられているという事です、米国はもっと厳しくpfosを0.02ナノクラム以下、pfoaを0.004ナノグラム以下と定めています、これはもう、pfas、pfoaが存在してはいけない、といった基準です。
水道水は基本的に近くの水源(河川、地下水)から作りますから米軍基地周辺や東京都の河川、地下水の流れる方向を考えると米軍横田基地より東側に居を構えていらっしゃる方にとっては不安に思われるのだと思います。
逆浸透膜式の浄水器は物理的に非常に細かいフィルター(逆浸透膜)で不純物を分離して純水を作る浄水器です、非常に細かいフィルターを更に細かくする為に水に溶けたアニオン(負の電荷を持つ物質)、カチオン(正の電化を持つ物質)に水分子が電気的にくっつく水和の力を利用して不純物を分離します。
逆浸透膜浄水器の分離メカニズム