逆浸透膜浄水器の水は原水よりも0.5?0.8位pHが酸性に傾きます
海外においては陳腐化した説ですが、日本の浄水器関連商品では特にアルカリ性は体に良い、酸性は悪いといった俗説がさかんに流布されていますので気になるところかもしれません。酸性と言っても舌に感じる程ではありませんし、人体の血液のペーハーはpH7.4±0.5に固定されていて酸性やアルカリ性の水や食品を口に入れる事で変動するものではありません。これは呼吸と排尿により常に調節されているからです。
人体血液のペーハーは若干の酸性やアルカリ性の水を口に入れる事で変動するものではありません
胃液はpH2の強酸です。浄水器の関連商品であるアルカリイオン水も最近では還元水と言葉を換えていますが、アルカリ性を示す薄いカルシウム水という実体には変わりがないでしょう。還元性の高い水が体内に浸透して活性酸素を除去する、という主張ですが強酸の胃液をくぐり抜けて体内に到達するのは容易では無いと想像がつきます。
逆浸透膜浄水器の水に釘を入れるとどうなるか?浄水器の水が酸性に依っているから錆びやすいかと想像されるかもしれませんが、実は普通の水道水、井戸水より錆びにくいのです。これは錆びのメカニズムの一つの電触現象が起こりにくいからです。重金属等の不純物が存在しない逆浸透膜浄水器のピュアウォーターは釘に鉄以外の金属が付着して起こる、電触による錆びが発生しにくいので、釘は錆びにくくなります。
ですが、弊社ではこれをもって浄水器の純水が人体を酸化させにくい等と主張するつもりは一切ありません。
逆浸透膜浄水器の純水が酸性になる理由
浄水器の水が酸性になる原因としてはアルカリ性を示す炭酸カルシウムは除去され、気体である二酸化炭素が逆浸透膜フィルターを通過してしまう為、 水中に溶存した二酸化炭素に依って原水よりpHが酸性へ傾く事をお話しました。二酸化炭素は他の気体に比較して水に溶けやすく 二酸化炭素が溶存していない水でも、大気中に放置しておけば二酸化炭素は水中に溶け込んで行きます。 ところが、普通の浄水器の水は純水の様に大気中の二酸化炭素の影響を大きく受けることはありません、これは普通の浄水器の水には不純物が存在し、二酸化炭素が溶け込んで酸性に傾こうとするときにカウンターとなるアルカリ性を示す物質を電離させpHが変動するのを 押し戻そうとする力が働きます、平衡現象です。
水に含まれている不純物の種類により、この力の大小はありますが、通常の浄水器はイオン性の不純物を殆ど全て通過させてしまいますから、その残された不純物によって、このバランスを保とうとする力が働きます。ところが逆浸透膜浄水器で造られる浄水には不純物が殆ど存在しない水、これが純水=ピュアウォーターと言われる所以なのですが、そのため二酸化炭素が溶け込んできた時にバランスを 保つ為にカウンターとなる不純物が存在しないため、通常の水に比較すると僅かな二酸化炭素量で、pHについて非常に大きな挙動を示すのです。酸性に傾いた純水にわずかなカルシウムを溶かすと簡単にアルカリ性になってしまうのも逆浸透膜浄水器の純水ならではです。浄水器の純水に息を吹きかけるだけでもpHは顕著に酸性に変動してしまう程です。
pH値は水道水質基準でpH5.8?8.6と規定されていますのでpHが低いのは気になる所だと思います。ここでpH値 が規定された意味を考えて見ましょう、水道水質基準は51項目しかありません(米国では240項目以上ありますが)、たったこれだけの項目数で数百とも数千種類とも 言われる有害物質に対して監視を行う場合、pHが基準値から外れた場合は何かの不純物が多く存在するためにpH値を変動させていると推測する訳です、つまりpH値自体が問題では無く、pH値を変動させている物質が問題なのです。
逆浸透膜浄水器の純水では場合、pHを変動させているのは微量の二酸化炭素であり、その他の不純物が殆ど存在しない水ですので 、pHが酸性に変動している理由がはっきりしています、ですから浄水器の水のpHが酸性であることで人体に悪影響は無いと断言出来ます。簡単な例で言えば醤油はpH4.5?4.9、ワインはpH 3.0?3.7、レモン汁pH2.0?3.0、殆どの食品は酸性を示します。レモン汁は有害ですか!?