pfos、pfoa等のpfas(有機フッ素化合物)は逆浸透膜浄水器で除去する事が出来ます。
逆浸透膜浄水器にもプレフィルターとして活性炭フィルターが装備されていますので、pfos、pfoaについては逆浸透膜手前の活性炭フィルターで吸着されます。pfos、pfoaより分子構造の小さなpfbs等の有機フッ素化合物は活性炭フィルターで吸着されずに通過してしまいますが、逆浸透膜フィルターで90%位の除去率で分離除去されます。
永久化学物質と呼ばれるpfos pfoa等の有機フッ素化合物pfas
pfosは2010年にpfoaは2021年に製造輸入が原則禁止されていて、pfoaについては2013年末に国内企業の自主的な取り組みとして国内での使用が全廃されています。
現在では殆ど使用されていないとされるpfos pfoaなのですが、米軍基地周辺の河川から高濃度に検出される事例があり、その原因は不明とされていますが、米軍基地内で行われる消火訓練で使用される泡消火剤が周辺河川や地下水へ流出したと推測されています。
pfosが含まれる泡消火剤については2024年9月末までに国内施設及び米軍基地施設もpfosを含まないものへ入れ替えられる予定です。
ここでフッ素、pfos関連のワードを整理してみます。
水道水質基準項目には「フッ素及びその化合物」が規定されていて、基準値は0.8mg/リットルです。フッ素及びのその化合物は、フッ素単体、フッ素と他の元素が化合して出来た化合物全般を指します。フッ素化合物の中で炭素を含むものを「有機フッ素化合物」と言いまして、それをpfasと言います。
フッ素と炭素の強力な結合を利用した有機フッ素化合物pfasは非常に便利な素材で水や油を弾く撥水剤、自動車のワックス、高耐久性の塗料など生活必需品として利用されています。この有機フッ素化合物全てが有害性を持つのでは無く、その中にはpfos、pfoaの様な人体に有害な有機フッ素化合物も有るとお考え下さい。
pfasは永久化学物質とも言われ難分解性で、その種類は10000種類以上とも言われ、その全てが人為的に作り出された物質です。
その中の有機フッ素化合物=pfasの一種であるpfos、pfoaが現在問題となっている有害物質です。
pfos、pfoaの浄水方法についてはEPA(米国環境保護庁)の見解
内容を要約すると、pfos、pfoaについては分子構造が大きいので活性炭フィルターの浄水器で100%近い除去が出来る。但しフィルターの耐用期間により適切な交換が必要です。一方で、pfbsなど分子構造が小さい有機フッ素化合物についての吸着はあまり期待出来ない、とされています。
pfos、pfoaに限定すれば逆浸透膜浄水器まで使用しなくとも、活性炭フィルターが装備されている一般的な浄水器で充分な除去効果が期待出来そうです。但し、pfbsなども含めた有機フッ素化合物(pfas)全体についての除去を求めるならイオン交換樹脂での吸着除去か逆浸透膜浄水器での浄水となり、逆浸透膜浄水器なら分子構造の小さな有機フッ素化合物やフッ素単体でも90%位の除去が可能です。
フッ素についての除去性能試験結果
フッ素単体の試験は水道水質基準項目の「フッ素及びその化合物」の試験として行いました。フッ素及びその化合物の中で一番小さな、フッ素単体の除去性能試験は、一番条件の厳しい試験となりますので、フッ素単体よりも分子構造の大きなフッ素化合物についてはフッ素単体より高い除去率が推定されます。
フッ素は非常に反応性の高い物質ですので、フッ素単体で自然界に存在する事は稀ですから、フッ素にいくつかの原子が結合した状態の化合物の形で存在します。pfosも全体で22個の原子で構成されています。
有機フッ素化合物(pfas)についての弊社見解
pfos、pfoaの規制数値
WHOではpfos、pfoaそれぞれ100ナノグラム以下が提案されています。
水道水は基本的に近くの水源(河川、地下水)から作りますから米軍基地周辺や東京都の河川、地下水の流れる方向を考えると米軍横田基地より東側に居を構えていらっしゃる方にとっては不安に思われるのだと思います。
但し、現在ではpfos、pfoaとも殆ど環境中に放出されていませんので、永久化学物質とは言われますが環境調査での数値は年々減少傾向にあります。
逆浸透膜式の浄水器は物理的に非常に細かいフィルター(逆浸透膜)で不純物を分離して純水を作る浄水器です。水に溶けたアニオン(負の電荷を持つ物質)、カチオン(正の電化を持つ物質)に水分子が電気的にくっつく水和の力を利用して不純物を分離します。